インテリアコーディネーターの仕事内容
「インテリアが好き、インテリア業界で働きたい、インテリコーディネーターという職業に興味があるけど具体的にどんな仕事なんだろう?」という疑問にお答えする内容となっています。
私は2005年にインテリアコーディネーターの資格を取得し、インテリア関連会社での勤務を経て、2017年から現在に至るまでフリーランスのインテリアコーディネーターとして活動しています。
これからインテリアコーディネーターを目指したい、と考えている方のお役に立てれば嬉しいです。
壁紙・建具・床材・カーテン・照明・家具などのインテリア(内装)に関して、お客様のご希望に合う快適な空間を提案するお仕事です。お客様のイメージしているインテリア・ご予算をヒアリングし的確に把握・提案します。各アイテム毎の幅広く深い知識と提案するにあたっての注意点なども含め理解しておく必要があります。インテリア業界で働くといっても環境は幅広く多岐にわたるのが特徴です。おおまかに分類すると以下のようになります。
インテリアコーディネーターの働き方
新築戸建て住宅のインテリアコーディネーター
新築戸建てのインテリアコーディネーターは住宅販売会社の設計部門に所属する場合が多いです。
また、インテリアコーディネーターの仕事を設計士がやっているという会社もありますが、近年インテリアコーディネーターという職業の認知が広まった事もあり完全に分業する傾向があります。
所属する会社によってどこまで提案するか差がありますが、新築戸建て住宅ですと まずは内装カラー(床材・壁紙・ドアの色・建具の色)、また会社によっては住宅設備など、着工(工事は始める時)前か着工後の早い段階で決定していかなければならないアイテムについてライフスタイルやインテリアのイメージ・好みをヒアリングし提案・プレゼンといった流れが一般的です。
また、照明に関しては予め家具配置も含め計画する必要があり、設計担当者と連携して器具の種類や配灯を提案・プランする場合があります。
その後、カーテン・エアコン・ミラー・ダイニングテーブル+チェア・ソファ・食器棚・ベッド・ラグなど、ご要望に応じて竣工(工事が完了)あたりをめどに納品するアイテムについて提案・プレゼンしていきます。
戸建て全体のイメージを決める提案になりますのでインテリアコーディネーターの醍醐味を存分に味わえます。また新築で戸建てを購入するお客様はこれを機会にインテリアアイテムを新しいもので揃える方も多く、やりがいを感じられる働き方です。
新築分譲マンションのインテリアコーディネーター
マンション販売会社に所属というよりはマンション販売会社のグループ会社でインテリア部門を担当する会社に所属する場合が多いようです。
主に照明・カーテン・エアコン・ミラー・ダイニングテーブル+チェア・食器棚・ベッド・ラグなど建物が完成した後に納品するアイテムのプラン・提案が一般的です。
床材・壁紙・ドアの色・建具の色などはどの部屋を購入するかで決まってきますので、特殊な場合を除きインテリアコーディネーターは介入しません。(アクセントクロスと言って既存の壁紙を剥がして張替などの提案はあります。)
マンションの契約をされたお客様を販売会社から紹介してもらい接客がスタートします。
建築中のマンションの場合、竣工(工事完了)を経て、契約済みの住戸の引渡しが一斉に同じタイミングで行われます。インテリアアイテムの納品に関しても一定期間(マンションの規模によって1週間~1ヶ月程度)を設け全てのアイテムの職人を集め一斉に納品していきます。この為、インテリアのご注文に期日を設けていますので、逆算してお客様へのインテリアのご検討~ご決定までのスケジュールを管理する必要があります。
竣工済みのマンションに関しては各住戸毎にスケジュール管理します。
既に完成している物件なので接客スタートしてからお引渡し・ご入居までに期間があまりないケースが多く、素早い対応が必要になります。
また、マンションモデルルームのコーディネートの仕事もあります。
マンションの購入を考えている人にとってイメージを体感するお部屋作りでもあり、マンションの売れ行きを左右する1つの要因でもありますのでやりがいは大きいでしょう。
立地やグレード・購入を考えているお客様層をリサーチし、夢を盛り込んだアイテムを選ぶ必要があります。
こんなお部屋に住んでみたいと思って頂けるお部屋を作る面白い仕事です。
リフォーム会社のインテリアコーディネーター
リフォーム関連会社に勤務します。会社によりますがリフォーム営業に同行してお客様のライフスタイルに合わせヒアリングを行い、プレゼン資料の作成や、デザイン性に優れた快適な空間、壁紙、家具、カーテンなどを含め、住まいをトータルで提案します。
お客様の現在のお住まいで困っている点を解決し住宅を甦らせる仕事ですので、大変やりがいのある職種といえます。
現場の状態によってお客様のご要望にお答えできるかどうかの見極めなどが必要になります。
特に間取りを変更する際には構造を理解していないといけない場合など注意が必要です。
インテリアコーディネーターの資格・知識では判断できない場合が多く建築士や設計士の知識が必要ですので連携して進めて行きます。
また、近年日本の住宅事情の様々な問題からリフォームやリノベーションの需要は高まっている為、これから活躍の場が広がる可能性があります。
インテリアアイテムのメーカーや販売店
照明・カーテン・家具メーカー・住宅設備会社etc…勤務先は多岐にわたります。
勤務している会社の商品の素晴らしい点・実際に使う際の注意点などを広く深く熟知しお客様に提案します。
良い点ばかりではなく、注意しなければならない点について しっかりと把握している事が信用につながるのではないでしょうか。
大切なのは自分の所属している会社の商品の一番のファンでありオタクになる事かもしれません。
フリーランス(個人事業主)のインテリアコーディネーター
一定以上の経験とスキル・人脈があればフリーランスとして働く事が可能です。
いきなり未経験でフリーランスになるのは難しく住宅会社専門会社、設計・デザイン事務所に正社員や契約社員・パート・アルバイトとして給料を得ながら経験を積んだ後に独立する方が現実的です。
個人的な知り合いや過去にお付き合いがあった方、インテリア・住宅関連会社からお客様を紹介してもらい仕事をします。
各アイテムを取り扱っているメーカーや販売会社から仕入をし、お客様に提案・販売します。
お仕事を受ける時点で一律の金額を決めコーディネートフィーを頂く方法をとっているコーディネーターもいます。
お客様や設計事務所などと直接交渉契約ができるので、努力や能力次第で年収は会社員として働くより大きくUPする可能性があります。
その他のメリットは仕事量を調整できるという点、また様々な条件によりますが受けたくない仕事を断れる点だと個人的には思っています。
ただ、当然ですが仕事がない・仕事をしないと収入がなくなってしまうリスクはあります。
自分のミスで問題が起こった場合、責任は自分でとる必要があります。
これはインテリアコーディネーターに限らずフリーランスという働き方であれば当然ですね。
また、個人事業主として会計業務、確定申告などの知識も必要になります。
まとめ
インテリアコーディネーターとして働く事は【好きな事を仕事にする】代表のような仕事ではないかと思います。
エンドユーザー様を相手にする仕事ならではの難しい点や挫折もあります。
ただ、お客様にご満足頂けた際などダイレクトに感謝のお言葉を頂く機会があります。
そんな時は鳥肌ものに嬉しい瞬間です。
お客様のご満足が自分の満足になる…なんて素敵な仕事だろうと思えるのはこんな時です。
また、住宅販売やリフォーム会社の営業マン・各アイテム毎のメーカーや取り扱い業者・実際に取付てくれる職人さんなど人間関係のベクトルが様々な方向を向いており、たくさんの人々と関わる仕事ですのでコミュニケーション能力も必要です。
各アイテム(照明・カーテン・エアコン・家具)は毎年のように新作が発表され、機能が進化し、また流行がある中で廃番になるものもあります。
これらを常に意識し新しい知識を得て更新していく必要があります。
大変だと思う事もありますが、インテリアが好きであれば1つ1つ仕事をこなしていく中で自分の成長を感じられる、大変やりがいのある仕事だといえるでしょう。
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